不動産の売却で発生する税金の種類は?節税のコツも解説
- この記事のハイライト
- ●不動産を売却すると3種類の税金が発生する
- ●譲渡所得税は、売却価格から経費や控除額を差し引いて残った利益に課される
- ●控除制度を利用することで大幅な節税が可能になる
不動産を売却すると、まとまったお金が手元に入ってきますが、支払わなければならない税金も発生します。
とくに「譲渡所得税」は高額になりやすいため、その概要や計算方法を把握して対策することが大切です。
そこで今回は、不動産の売却で発生する税金の種類と譲渡所得税の計算方法、節税するためのコツについて解説します。
不動産の売却をご検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
不動産の売却で発生する税金の種類

まずは、不動産の売却で発生する税金の種類と概要について解説します。
不動産を売却すると、以下のような税金が発生します。
- ●印紙税
- ●登録免許税
- ●譲渡所得税
それぞれの概要について、順番に解説します。
印紙税
印紙税とは、経済的な取引に伴い、契約書や領収書といった課税文書を作成した場合にかかる税金です。
課税文書にかかる印紙税は、収入印紙を購入し、その文書に貼って消印することで納付する仕組みになっています。
印紙税の税額は、印紙税法により、契約金額に応じて下記のように定められています。
- ●100万円超500万円以下は、2,000円(1,000円)
- ●500万円超1,000万円以下は、1万円(5,000円)
- ●1,000万円超5,000万円以下は、2万円(1万円)
なお、令和9年3月31日までに作成される売買契約書については、印紙税の軽減措置が適用されます。
上記の括弧内の金額が、軽減措置適用後の税額です。
登録免許税
登録免許税とは、不動産登記をおこなう際に課される税金です。
不動産の売却で売主が登録免許税を負担するのは、抵当権抹消登記のときです。
抵当権抹消登記とは、住宅ローンが残っている不動産を売却する際に、残債を完済したうえで、登記簿上に記録されている抵当権を抹消する手続きを指します。
登録免許税の税額は、不動産1個につき1,000円です。
たとえば、土地付きの一戸建ての場合、土地1個と建物1個で計2個となるため、2,000円の登録免許税が課されます。
譲渡所得税
譲渡所得税とは、不動産の売却で得た譲渡所得(利益)に課される税金のことで、以下の3つの総称です。
- ●住民税…都道府県民税と市町村民税の総称
- ●所得税…所得に対して課される税金
- ●復興特別所得税…東日本大震災からの復興に用いるため2037年まで課される特別税
譲渡所得税は、給与所得などとは切り離して計算する分離課税であるため、利益を得た場合は、税額を計算して確定申告をして納税します。
不動産の売却で発生する税金のうち、印紙税と登録免許税は、売却手続きの際に納める税金です。
譲渡所得税については、売却した翌年の確定申告の際に納めるため、どれくらいの金額になるのかを把握し、その分のお金を準備しておかなければならないことを頭に入れておきましょう。
不動産の売却で発生する税金:譲渡所得税の計算方法

冒頭でもお伝えしたように、譲渡所得税は、不動産の売却で発生する税金のなかでも高額になりやすい税金です。
また、税額を把握し、翌年の確定申告の時期に納めるお金を準備しておく必要があります。
そこで次に、譲渡所得税の計算方法と税率について解説しますので、理解を深めておきましょう。
譲渡所得税の計算方法
譲渡所得税は、譲渡所得に対して課される税金です。
したがって、まずは以下の計算式で譲渡所得を算出します。
譲渡所得=譲渡価格-取得費-譲渡費用
譲渡価格とは、不動産の売却価格のことです。
取得費は、不動産の購入代金と、購入時に支払った印紙税や仲介手数料といった諸費用を合計して算出します。
ただし、建物については、購入時の金額を計上することはできません。
建物は年数の経過とともに劣化することで価値が下がるため、不動産を売却するときまでの減価償却費を差し引く必要があります。
譲渡費用は、不動産の売却時に支払った費用のことです。
たとえば、売却時に支払った印紙税や仲介手数料、土地を売るためにかかった建物の解体費用などが該当します。
また、譲渡所得税を軽減するための特別控除制度が設けられており、控除を受ける場合は、以下のように控除額を差し引いた金額が課税譲渡所得となります。
課税譲渡所得=譲渡所得-控除額
この計算式で算出した金額に税率を乗じたものが、譲渡所得税額となります。
譲渡所得税の税率
譲渡所得税の税率は、不動産を所有していた期間によって決められています。
不動産の所有期間が5年以下であれば「短期譲渡所得」、超えている場合は「長期譲渡所得」と区分され、5年を境に税率が以下のように異なります。
- ●短期譲渡所得…39.63%
- ●長期譲渡所得…20.315%
つまり、不動産の取得から5年以内に売却すると、5年を超えてから売却する場合に比べて2倍近く譲渡所得税の税率が高くなるのです。
不動産の売却で発生する税金:譲渡所得税を節税するコツ

譲渡所得税は高額になりやすいため、節税するコツがあれば知っておきたいですよね。
そこで最後に、譲渡所得税を節税する3つのコツについて解説します。
購入額を証明できる書類を準備する
前章で解説したように、譲渡所得税は譲渡所得に税率を乗じて算出します。
つまり、譲渡所得が大きければそれだけ税額も高くなるため、取得費や譲渡費用といった経費を漏れなく計上し、譲渡所得を抑えることが節税に繋がります。
経費のうち金額が高いものは、不動産の購入額です。
購入額がわからない場合、売却価格の5%で購入額を計上することになります。
そうなると、差し引く金額が少なくなり、譲渡所得が大きく計上されます。
そのような事態になるのを防ぐために、不動産の購入額を証明できる書類を準備することが大切です。
購入時の不動産売買契約書のコピーを確定申告の際に提出すれば、問題ありません。
税率が低くなるタイミングで売却する
先述したように、不動産の所有期間が5年を超えていると、譲渡所得税の税率が大幅に低くなります。
したがって、不動産を取得してから5年ほどで売却する場合は、5年を超えてから売却したほうが節税できます。
控除制度を利用する
譲渡所得税を軽減できる控除制度がいくつかあります。
たとえば、以下のような控除制度を利用することで、大幅に譲渡所得を抑えることができるため、条件を満たす場合は利用することをおすすめします。
居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例
マイホームの売却で得た譲渡所得から、最高3,000万円の控除を受けられます。
一般的な住宅の場合、売却価格から取得費や譲渡費用を差し引いても利益が3,000万円残るケースはあまりないでしょう。
したがって、この特例を利用すれば、譲渡所得がゼロになり、税金が発生しないケースがほとんどです。
マイホームを売ったときの軽減税率の特例
不動産を取得してからの所有期間が10年を超えている場合に利用できる特例で、3,000万円の特別控除の特例との併用が可能です。
3,000万円の特別控除を利用したあとの課税譲渡所得が6,000万円以下の場合、税率が14%となり、通常よりも税額が安くなります。
このように、節税のコツを知ったうえで不動産を売却することで、譲渡所得税を抑えることができます。
しかし、個人の方が税金の計算をするのは難しいかもしれません。
不動産売却時の税金についてもっと知りたいという方は、お気軽にご相談ください。
まとめ
不動産売却の手続きには印紙税や登録免許税が発生し、譲渡所得を得ると譲渡所得税が課されます。
譲渡所得税の税率は、不動産を取得してからの所有期間が5年を超えると低くなります。
譲渡所得税は、税率が低くなるタイミングを見極めることや、経費を漏れなく計上すること、特例を利用することで節税できるため、売却前に理解を深めて税金を抑えましょう。
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