住宅ローン減税における省エネの基準は?2つのポイントをご紹介

住宅ローン減税における省エネの基準は?2つのポイントをご紹介

住宅を購入する際は住宅ローンを利用する方が多く、住宅ローン減税によって所得税を軽減することも可能です。
ただし、住宅ローン減税には適用要件が細かく定められており、住宅の省エネ性能に関する規定もあります。
今回は、住宅ローン減税における省エネの基準改正のポイントや、断熱等級と一次エネ等級についてご紹介します。

住宅ローン減税における省エネ基準改正のポイント

住宅ローン減税における省エネ基準改正のポイント

住宅ローン減税は住宅ローン控除とも呼ばれており、正式名称は「住宅借入金等特別控除」です。
これにより、住宅ローンの利用者は年末の住宅ローン残高に応じて所得税の減税を受けられます。
住宅ローン減税の制度については、これまで細かく条件が変えられてきており、2024年以降はこれまでとは異なる基準で運用されている点に注意が必要です。

改正のポイントは省エネ基準

2024年以降における住宅ローン減税のポイントは、住宅の省エネ性能に関する基準です。
住宅の性能にはいくつかの基準が設定されており、省エネに関する基準のなかには断熱等級や一次エネ等級などがあります。
2024年以降に入居する住宅では、この断熱等級と一次エネ等級をどちらも4以上にしていないと住宅ローン減税を利用できません。
基準を満たしていない住宅は、2023年までに建築確認を受けており、2024年6月30日までに建築されていれば減税を適用できます。

借入限度額のポイント

住宅ローン減税では、減税の対象になる住宅ローンの借入限度額が決められています。
2024年の基準では、新築住宅や買取再販の長期優良住宅・低炭素住宅では、一般世帯で4,500万円、子育て世帯で5,000万円が限度です。
ZEH水準省エネ住宅では一般世帯で3,500万円、子育て世帯で4,500万円、省エネ基準適合住宅では一般世帯で3,000万円、子育て世帯で4,000万円となっています。
2025年以降は一般の世帯と子育て世帯の別がなくなり、各基準における限度額が一般世帯の金額に統一される予定です。
既存住宅に関しては、省エネ基準を満たしていれば3,000万円、基準に満たないその他の住宅であれば2,000万円の限度額となっています。

住宅ローン減税を利用する際に必要な証明書

住宅ローン減税を利用するためには、住宅の省エネ性能を証明する証明書の提出が必要です。
建設住宅性能評価書や住宅省エネルギー性能証明書など、断熱等級や一次エネ等級を証明する書類を用意しておきましょう。
また、年末の住宅ローン残高を証明する借入残高証明書なども必要です。

住宅ローン減税における断熱等級の省エネ基準

住宅ローン減税における断熱等級の省エネ基準

断熱等級は、住宅性能表示制度のなかで用いられる断熱性能を表す基準です。
断熱等級はもともと1から4まで定められており、現在は7まで存在しています。
2024年以降は新規住宅を購入する際に断熱等級4以上が求められることになっており、1から3では住宅ローン減税を利用できません。
断熱等級4は、エネルギーの大きな削減のための対策が講じられている状態を指します。
断熱等級は、住宅が持つUA値とηAC値といった基準から認定されるのが特徴です。

UA値とは

UA値は、住宅の断熱等級を認定する際に用いられる基準のひとつです。
室内の熱がどれだけ屋外に逃げやすいかを表す数値であり、建物表面積1㎡あたりの家屋全体から逃げる熱量をもとに計算します。
UA値が低いほど逃げる熱量が少なく、その住宅の省エネ性能が高いと言えます。
また、断熱等級4のUA値は地域区分によって異なり、基準値よりも小さいUA値になれば住宅ローン減税を利用できる可能性があります。
ただし今後はもっと基準が厳しくなっていく見込みであり、UA値は0.6以下に抑えるのが望ましいです。

ηAC値とは

ηAC値は、UA値とは逆で太陽の熱がどれだけ室内に伝わりやすいかを表す数値です。
日射強度あたりの屋根、壁、開口部から侵入する熱量の合計を建物表面積で割って計算します。
ηAC値が用いられるのは、おもに夏場の冷房空調負荷を計算するときです。
数値が大きいほど太陽による熱の影響を受けやすく、冷房効率が落ちるためエネルギー消費量が多くなります。
したがって、省エネ性能が高いのはηAC値が低い住宅のほうです。
UA値とηAC値は地域によって基準が細かく分かれていますが、ηAC値に関しては本州と沖縄県での基準の差が大きくなっています。
断熱等級4では、東京都や愛知県では3.00、兵庫県や福岡県では2.80以下に収める必要がありますが、沖縄県では6.7以下です。
こうした基準を満たしている住宅は冷暖房効率が良く、省エネ性能が高いためエネルギー消費量が少なく、光熱費も安くなります。

住宅ローン減税における一次エネ等級の省エネ基準

住宅ローン減税における一次エネ等級の省エネ基準

住宅ローン減税を利用するためには、一次エネ等級も4以上にする必要があります。
一次エネ等級は、2013年に作られた一次エネルギー消費量等級と呼ばれる基準のことです。
設計一次エネルギー消費量を基準一次エネルギー消費量で割ったBEIと呼ばれる数値で求められ、等級4では1.0以下の数値が求められます。
そして、等級が上がるほど求められる数値が小さくなっていくのです。

一次エネルギーとは

一次エネルギーとは、実際に家庭などで使用されるエネルギーを生み出すための原料のことを指します。
つまり、原油や石炭、天然ガスや水力、風力、太陽熱や地熱、原子力など、加工されていない状態のエネルギーが一次エネルギーです。
これを実際に消費される形までに加工したのが二次エネルギーであり、電気、LPガス、都市ガス、ガソリンなどを指します。
一次エネ等級は、その住宅で使用したエネルギーに対して、どれだけの一次エネルギーが消費されているかを表す基準なのです。

一次エネルギーにおける共通単位

住宅で実際に使用されるエネルギーは基本的に二次エネルギーであるため、一次エネルギーとの共通単位に換算して計算します。
このときに用いられる一次エネルギー消費量の共通単位がMJやGJです。
建築物省エネ法施行規則で定められた一次エネルギー換算係数を乗じることにより、二次エネルギーの消費量を一次エネルギー消費量に換算できます。

一次エネ等級の基準適合の判断基準

一次エネルギー消費量が基準に適合しているか判断する際は、住宅の冷暖房設備、換気設備、照明設備、給湯設備、家電や調理設備などのエネルギーを計算に用います。
計算で用いられる基準一次エネルギー消費量は、2012年時点の標準的効率の設備機器をもとに設定されているエネルギー消費量の基準です。
設計一次エネルギー消費量は、住宅を設計する段階で計算されたその住宅で予想される一次エネルギー消費量です。
基本的には、設計一次エネルギー消費量が基準一次エネルギー消費量を下回っていれば基準に適合しているといえるでしょう。
この計算をおこなうためには、まず住宅の外皮性能が評価基準に適合している必要があります。
2025年以降はこの基準に適合させることが義務化されるため、適合していないのであれば設計段階からやり直さなければなりません。
一次エネルギー消費量の基準が適合してはじめて、住宅の施工に移れるようになるのです。
今後の新規住宅では、こうした省エネ基準を満たした住宅がスタンダードになります。

まとめ

2024年以降に住宅ローン減税を利用するためには、住宅の断熱等級と一次エネ等級がどちらも4以上必要になります。
断熱等級はUA値とηAC値から算出され、今後も基準が厳しくなっていく見通しです。
さらに、一次エネルギーについては2025年以降とくに基準に適合させることが義務になるため注意しましょう。